借金問題は「弁護士に相談」
皆さん、最近は、「借金問題」は弁護士に相談、というイメージも少しずつお持ちではないでしょうか。「借金は借金なんだから返さなければならないんでしょう?」と弁護士に相談するメリットをあまり知らない方も少なくありません。
ただ、
「今月は使いすぎちゃって返済が苦しい・・・」
「毎月がんばって返済しているのに、なかなか借金が減らない・・・」
「いつの間にか借金が膨れ上がって猛返済できない・・・」
といった方が、「借金がゼロになりました」という解決に導くことができる、それが「借金問題を弁護士に依頼する=債務整理」というものです。
債務整理って何?
債務整理とは、その名のとおり、「借金を整理すること」です。借金を整理する方法としては、
自己破産=借金を原則ゼロにする手続き
民事再生=借金を減額(通常は5分の1)して分割で返済する手続き
任意整理=原則として利息をカットして、3年~5年で借金を完済する手続き
といった手続きがあります。まずは、弁護士に相談していただき、借金の状況や家計の収支に合わせて、その方に一番合った方法をアドバイスさせていただくことになります。
「任意整理」とは?
任意整理とは、借金の金額を法定の利息に合わせて計算し直し、 計算し直した借金の残額について、原則として将来の利息をカットし、3年から5年の分割で返済して行く手続きです。
この利息カットについては、 皆さん「そんなに利息は大きくない。」と考えがちですが、今一度ご自身の返済の内訳を見てください。月々の返済額2万円の方でも、「2万円の返済のうち、1万2000円分が利息!」ということは珍しくありません。
なぜ、このようなことになるかというと、例えば、
90万円を借りている方は、利息が年18%の場合、
1年間で支払う利息が90万円×18%=162000円。
月の利息の額は、162000円÷12=13500円。
月額2万円返済しているとなると、そのうち13500円は利息。
ですので、元本は6500円しか減っていない。
というわけです。全く借金が減らないような気がするのはまさにこの利息が問題となっているわけです。
弁護士が介入することにより原則として貸金業者に将来の利息をカットしてもらえますので、本来の返済期間よりもずっと短い期間で借金を返済することができます。同じ月額2万円を返済していても、借金が月々6500円しか減らないのと、月々2万円ずつ減っていくのとでは、大きな違いが出ます。
「民事再生」とは?
民事再生とは借金を大幅に減額して、原則として3年の分割で、その減額された借金を返済していく手続きです。
裁判所を利用する手続きになりますが、原則として通常1/5程度に借金が減額されますので、例えば,
500万円の借金がある方は借金が100万円になる
わけです。
この減額された借金を、分割で返済していくため、返済は今よりもずっと楽になります。
また、民事再生には「住宅だけはどうしても手放したくない」という方のために、住宅ローンを返済しながら、家を手放さずに、民事再生の手続きを利用する方法が許されています。要件を満たす方は、今住んでいる家を手放さずに、借金を大幅に減額でき、今よりもずっと早くに借金を返済できることになります。
先ほどの論理で言えば、例えば、
500万円の借金を、月々10万円ずつ返済していても、
借金は3万~4万円くらいずつしか減っていかず、
100回以上(8年以上)は返済しないと借金はなくならないのが通常
です。
民事再生手続きを利用すれば、
500万円の借金は100万円に減額されるので、
月々3万円の返済で約33回(3年以内)返済すれば、
借金がなくなる
わけです。
しかも、
要件を満たせば、住宅ローンを払い続けて家を維持できる
ことになっているわけです。
このメリットはとても大きいので、民事再生という手続きもしっかりと知っておいていただきたいですね。
「自己破産」とは?
自己破産とは、「今の借金がどうしても返済できない」という方が、原則として借金を全てゼロにする手続きとなります。借金をゼロにするためには、裁判所に、経済的な資力や収入がなく、今の借金を返せない、ということを認めてもらう必要があります。
裁判所に「自己破産」を申し立てると、
基本的には、その後ご自身で働いた収入は、返済に回す必要がなく、
ご自身の経済的厚生のために全て利用することができます。
ので,生活はとても楽になるはずです。
「自己破産」と聞くと、家の中にあるもの全て持っていかれるようなイメージを持たれる方も少なくありませんが、
20万円以下の財産(預金や5年以上乗っている車などはたいていここに入ります。)を保有できる、
99万円以下の現金はそのまま保有することができる、
ことになっていますので、イメージよりはさほど大きなダメージはありません。
自己破産は、今後の経済的厚生ができるための手続きなので、このようなことが許されています。
債務整理のデメリットや噂?
「債務整理」については、会社にばれてしまうとか、戸籍に記載されるとか色々な噂が聞かれますが、債務整理はあくまで、借金で苦しんでる方を救うための手続きですので、今後の人生に決定的なダメージを与えるようなデメリットはないと言えます。
もちろん、「ブラックリストにのってしまい、しばらくの間は借金やカードが作れない」といったデメリットはあり得ますが、元々借金の返済が滞ってる方は、すでにブラックリストに載ってしまっていますし、数年たてば、ブラックリストの影響もなくなってくるので、この点もさほど大きく心配する必要はないでしょう。
自己破産や民事再生では、一定の「資格」に基づく職業の方は、手続きの間、その仕事ができなくなる可能性がありますが、手続きが完了すればもちろん仕事はできます。「再就職に不利」といった噂も、通常は、「会社側に債務整理の情報が漏れる」ことは考えにくいので、ほぼ心配ないと考えていただいて大丈夫です。
まとめ~借金問題は解決できます!~
借金で悩んでいる方は、以上のような手続きから、あなたに合った手続きを選択し、現在苦しんでいる借金から解放されるよう目指していくことになります。また、実際に相談される方の中には、「過払い金が発生している」ことも少なくありません。ご相談いただければご相談当日に、「過払い金が出ているか」も大体わかりますので、まずはご相談いただくことが大事です。
今月の借金の返済が苦しい・・・それだけでもう、明日明後日の生活が真っ暗に思えてしまい、悩みすぎてしまう方は少なくありません。借金問題については、必ず方法があるはずですので、借金で悩まれている方は、ぜひ弁護士に相談していただきたいと思います。