本気で離婚を考え始めたとき,

「考えることが多すぎて,複雑で,今後のこともどうしたらいいのか不安」

という方がほとんどだと思います。
感情的になってしまいがちではありますが,ここであえて冷静に今後のことを分析することが重要です。

離婚の話し合いはどう進めたらいい?

離婚の話し合いは,往々にして,当事者であるご夫婦お二人で話をすると,感情のぶつかり合いとなって,泥仕合のまま時間だけが過ぎていく・・・という事態に陥ることが少なくないようです。半年ないし1年近く,このような状況が続いている方は,

弁護士等の第三者に間に入ってもらう

ことをお勧めします。一旦泥沼に陥ってしまうと,

気がついたら3年や5年はあっという間

ということが少なくありません。

弁護士はちょっと・・・という方は,お話し合いがなかなか進まない場合,

離婚調停を申し立てる

ことをお勧めします。仮に,「離婚ではなくしっかり話し合いたい」という場合には,

夫婦関係調整(円満)調停

というものを申し立てることもできます。離婚調停の場面では,

調停委員の2人(男性・女性)が,夫婦の状況を把握した上で,
お話し合いをうまく進めるよう誘導してくれる

ので,2人だけでお話を進めるよりも冷静な話し合いができることが期待できます。

調停がまとまれば,最終的には裁判官が調停条項(調書)というものを作る

ので,その内容にお互いが納得しているのであればこれで無事,調停離婚成立ということになります。

弁護士を立てるなり,調停を申し立てるなりしても,全く話し合いがまとまらない場合は,やはり最終的には裁判とならざるを得ないでしょう。裁判となる場合には,

・裁判上の離婚原因があるのかどうか
・証拠として不足している部分はないか
・裁判を起こすタイミングはどのタイミングが良いか

など,専門家による精査が必要になるかと思います。その場合は弁護士を頼っていただければと思います。

本当に離婚するべきかどうか?

もう離婚しかない,と思い詰めてしまった場合でも,

改めて冷静に夫婦関係を見直す

ことが重要です。「絶対に離婚以外考えられない」と思われていたご夫婦が,お互いの意見を言い合い,聞き合い,お互いの行動など振り返ることによって,夫婦関係を改めて見直していく方向で,関係を修復された方もいらっしゃいます。
離婚という選択は,当事者であるご夫婦のお二人はもちろん,お子様にも大きな影響を及ぼす選択です。

・本当に離婚をすべきなのかどうか
・夫婦関係修復の道はないのか
・冷却期間をおいて改めて考える方法はないのか

等についても,改めて第三者の意見を聞くなどして,冷静に見つめることが重要です。この場合も,おひとりで考え込んでしまっては,なかなか狭い視野から抜け出せませんので,その場合は,弁護士や,夫婦カウンセラーといった,その道の専門家に,いちど相談することをお勧めします。

離婚を考え始めたご夫婦は,視野も狭くなってしまっていることが多いので,ちょっとした発想転換も難しくなっています。その意味では,相談するだけでも視野が開けるかもしれません。特に,離婚の悩みをひとりで抱え込んでしまうと,

精神的にも追い詰められてしまったり,
的確な判断,選択ができなくなってしまったりすることも多い

ので,ひとりで抱え込まないことが大事です。

是非,追い詰められているなと感じたら,弁護士などを頼ってくださいね。

あなたの選ぶべき手続きは?

これまでお話してきたとおり,一言で離婚といっても,

・どのような手続きで進めていくべきなのか
・その際に取り決めるべき項目は何なのか
・各項目ごとに取り決める内容はどうすべきか

など,様々な考慮が必要となってきます。 また,

・お相手方の性格
・ご夫婦の財産状況
・子供への特別な配慮

など,ご夫婦ご夫婦によって,その進め方や,選ぶべき選択肢なども多種多様です。
離婚の条件を取り決める方法も,口約束で済ませてしまう方法は,後々紛争が再燃した場合に備えて,お勧めできません。ご本人同士で作ってサインした書面でも法的効力は一応ありますが,

公正証書,調停,審判,裁判

など,強い法的効力をもつ方法が様々あります。基本的には,紛争の再発防止のため,しっかりと

法的な効力のある書面を作成し,将来に備えておく

のがよいでしょう。

離婚問題は,基本的な取り決めを行うだけでも,このようにとても複雑な問題を含みます。ぜひ悩んだ方は,いちどでも弁護士に相談するようにしてくださいね。
離婚問題は1人で悩まず,法的知識を武器に,今後のために後悔しない最善の選択をしていただくことが重要ですね。