今日は，「弁護士費用特約」について改めてお話していきましょう。
弁護士特約とは？
まず，弁護士費用特約＝弁特というのは，自動車の任意保険などについている「特約」のひとつで，
事故に遭った場合に弁護士に相談したり，
依頼したりする費用を保険会社が負担してくれる特約
です。弁護士の間では，「弁特」等と呼んでいます。改めまして，この弁特を最大限有効活用してほしいという見地から，弁特のメリットを知っていただきたいと思います。そのためには，まず，交通事故を弁護士に依頼するメリットを知っていただく必要があると思います。
交通事故を弁護士に依頼するメリットとは？
前提として，交通事故に遭った場合，ほぼ大半の方が，
「交通事故＝保険会社にお任せすれば安心」（本当は違います→×）
というイメージを持っています。しかし，保険会社は，保険金を払う側ですから，治療費や慰謝料などは「なるべく抑えたい」のが本音です。なので，保険会社は実は被害者に優しくないわけです。任せっぱなしにしては，必要な治療費や示談金も受け取れないのが現状です。
例えば保険会社は，
「がんばって最終示談金70万円です」
等と提案してきますが，弁護士から見ればこの金額は少なすぎるのが大半です。
弁護士が交渉すれば100万～200万という金額になるケースでも，
そのまま70万円程度で「分かりました」と示談してしまっている方が非常に多い
のが現状です。示談金は大幅に上がるはずなのに，極めて低い金額で示談してしまっている現状があるのです。
このように，
〇弁護士に依頼すると示談金が大幅に上がる
というのが何よりも大きなメリットといえます。
それ以外にも，
弁護士に依頼すればその後の保険会社とのやりとりは,
全て丸投げしていただけるので，
面倒な資料のやりとりや情報収集・交渉なども全て弁護士が対応
することができます。不安に思ったらすぐ相談していただけるのも安心材料です。これによって，
〇精神的・労力的な負担を軽減できる
〇安心して治療に専念できる
といった点も大きなメリットです。
このように，交通事故を弁護士に依頼するということは，大きなメリットがあります。実際にご依頼いただいた方も「もっと早くお願いすればよかった」と皆おっしゃるのはこのような理由によるものでしょう。
弁護士費用特約を使うことがやっぱり不安？
「弁護士にお願いするって費用が高いんでしょう～」と皆さんが危惧されるところですが，弁特があれば心配いりません。費用の心配なく思う存分弁護士を使っていただけます。しかし，実際に「弁特を利用する」ことに不安を感じている方も少なくありません。改めまして，不安を払しょくするために，ご説明していきますね。
具体的に，弁護士費用特約は，
①弁護士に依頼する費用を原則300万円まで負担
してくれますので，相当大きな事故で数千万円・数億円が動くようなケースでない限り，通常は自己負担ゼロで弁護士に依頼ができます。
さらには，弁護士費用特約を使ったら保険料上がるんじゃないの？という不安も，
②翌年の等級や保険料は変わらないですし，
③特約の代金も月額170円程度と内容の割にはとても安い，
という実は大変お得な特約となっています。弁特を使って弁護士に依頼すれば，
「楽だし，しっかり治療もできるし，示談金も上がる。」
「弁護士費用もかからない」
「デメリットもない」
となれば，これは使わない手はない特約といえます。・・・が，こんなお得な「弁特を知らない・使っていない」という方が実は非常に多いんです。
弁特の契約件数自体はここ数年急増しているようですが，しかし，その一方，利用率はわずか１％にも満たない状況が続いているようです。私も，相談者の方などに，「弁護士費用特約ついてますか？」と聞くと大半の方が「？」という反応なので，やはりなかなか知られていないんだなあと実感しています。なぜ，弁特が使われてないか，ですが，簡単に言えば，「知らない」「使えないと思っていた」「あえて使わない」というところかと思います。
あえて使わないという方は，
「弁護士に依頼する？裁判なんて大事にしたくない。」
という理由が大半のようですが，実は，交通事故の案件は９５％以上が裁判前の話し合いで解決するような実情なので，
全然，裁判などの大事にはならない，
弁護士が話し合いの間に入ってくれるだけ，
金額が上がるだけ，
くらいに考えていただいてよいと思います。
交通事故被害に遭われた方は，ほとんどの方が，保険会社の提案をそのまま受け入れており，弁護士から見れば
「泣き寝入りしてしまっていることにも気づいていない」
現状が多数あると痛感しています。弁特をうまく利用して，しっかりと事故の補償を受けられる社会になってほしいと，切に願っています。
次回は，意外に知らない「こんなに使える！弁特の利用範囲は相当広い！」ということについてお話をしていきたいと思いますので，ぜひお付き合いくださいね。
